<< 前のエントリ | メイン | 次のエントリ >>
2012 年09 月07 日

Q: 外国人女性と離婚しました。彼女は私の配偶者としてのビザで在留していましたから、離婚した以上、帰国するように言えませんか?

−必ず追記を御覧下さい−
A: 確かに、「日本人の配偶者等」の在留資格で本邦に在留していた以上、日本人と離婚すれば、日本人の配偶者ではなくなるのですから、取得した在留資格の前提を喪失するように思われます。
 しかしながら、外国人女性は、他の日本人男性と婚姻するなどの事情がない限り、当該在留資格の更新はできないものの、離婚前まで有効であった在留資格が、離婚と同時に突然無効となるものではありません。たとえ離婚をしたとしても、適法に取得した在留資格は、その期限が満了となるまで有効です。したがって、「日本人の配偶者等」の在留資格は、離婚をしても、その期間満了まで有効であり、当該外国人女性は、それまで適法に本邦に在留することが出来るのです。
 婚姻中であっても、それが偽装結婚等で婚姻の実態がなければ、「日本人の配偶者等」の在留資格を取消されることがありますが、離婚しても、従前の婚姻生活に実態がある限り、離婚した相手方外国人を在留資格がなくなったと主張して、強制的に本国に帰国させようとすることは出来ないのです。

[追記] 平成24年7月に施行された改正入管法により、日本人配偶者が死亡したり、日本人と離婚した外国人で、「日本人の配偶者等」の在留資格で滞在していた方は、当該死亡ないし離婚の事実から6カ月が経過すると、在留資格が取り消される可能性が生じるようになりました(在留資格取消事由に該当するようになったということ)。
 但し、かような外国人に対しては、定住者等の在留資格への変更や、永住許可の申請の機会を与えて、その生活状況に配慮するべきとされています。
 なお、正当な理由(相手方からDVを受けた等)がないのに、婚姻生活を営んでいない場合には、離婚に至っていなくとも、在留資格取消事由に該当し、かつ、他の在留資格への変更や、永住許可が与えられるといった配慮がなされる可能性も低いでしょうから、充分な注意が必要となるでしょう。

投稿者:よしの たいら
at 18 :02| 離婚−国際離婚 | コメント(0 )

◆この記事へのコメント:

※必須